500万乙女の心のバイブル、天空の城シンタ〜そして伝説へ〜【第4話、崩壊のビーチ】

【第4話、崩壊のビーチ】
「ボ、ボライワ兄さあああん!!!」
舞い落ちるフードの下から現れた謎の人物のその素顔に、驚きと戸惑いの表情を見せながら、シンタはかつて兄と呼んでいたその名前を叫んだ!
「ボライワ・クサイウォーター。。。」
そのシンタの悲痛な叫びに答えるかの様にゴンタムもそう言って呟いた。
ボライワ・クサイウォーターとは、シンタの4歳年上の実兄である。そして紅玄流史上屈指の才能を持ったゴンタムの元中の人である。15歳にして全盛期の玄さんを超えたと言われていたが、その優しすぎる性格のため自分がゴンタムの中の人に向かないことを自覚していた。シンタが15歳の時に紅玄流の名を懸けた果し合いを挑み、追い詰められて潜在能力が覚醒したシンタの高速のコマセを受けて敗れ、命を落としたはずであったが。。。
「ボライワ兄さん!アナタはボクのコマセを受け死んだはずぢゃ。。。」
そのシンタの問いかけに、ボライワ兄さんと呼ばれた謎の人物はこう言った。
「今の私はボライワ・C・ババッチーナ!通称ボライワC、過去を忘れた男だ!」
ボライワ兄さんと呼ばれた男はそう言って自らボライワCと名乗るとゴンタムに向かってこう告げた。
「ボライワ・C・ババッチーナが命じる、ゴンタムよ我に従え!」
その瞬間ボライワ・Cの右目の中央に謎の紋章が真紅に妖しく浮かび上がり、その光はゴンタムを一瞬にして包んだ!
するとゴンタムは虚ろな目でボライワ・Cを見つめて、
「イエス、ユア マジェスティ。。。」
そう言ってゴンタムはボライワ・Cの足元に跪いた。
そのゴンタムの様子を確認したボライワ・Cは恍惚の表情を浮かべながらこう叫んだ!
「これで我が覇道を阻むものはもはや存在しない!そう、今日この日、この瞬間をもって、ゴンタムは我が手に落ちた!ボライワ・C・ババッチーナが命じる、世界よ我に従え!」
その一連の流れを見ていたシンタは、一瞬何が起こったのかわからない様子で呆然としていた。
「う、嘘だと言ってよ、ゴンタム。。。」
とっさにシンタの口からからそんな言葉が出たが、もはやその言葉はゴンタムには届かない。。。そしてその次の瞬間!
「殖装!」
そう叫んだボライワ・Cはゴンタムをその身に纏いシンタの前に立ち塞がった!

失われた物
それは当たり前の時間と信じていた未来
戻らぬ物の大きさを虚空に散る大地に知った時、シンタは何処に向かおうとするのか?
伴わない感覚の中、迫る現実はシンタを追いたて、開くゲートの先に広がる戦いの闇は、果てしなく暗く深い

次回、500万乙女の心のバイブル、天空の城シンタ〜そして伝説へ『サイレント・シンタ』
その闇を切り裂いて、開け!シンタ!

To Be Continued.